短歌 / 遊泳

短歌を隔月で掲載・ネットプリントで発行する「遊泳」です。

詠草投稿

第三回遊泳 詠草・投稿八番(れい)

曵き波に去りゆく船は見送らぬ私には私の海があるから れい

第三回遊泳 詠草・投稿七番(野添まゆ子)

行き交えるたびに尾ひれの増えゆきて噂の主の敵と限らず 野添まゆ子

第三回遊泳 詠草・投稿六番(斎藤漁火)

大麻草Cannabis卒業したのはあなただけこの三月の19℃の頃に 斎藤漁火

第三回遊泳 詠草・投稿五番(カリフォルニア檸檬)

見えている屋根を数えていれば星 けれども星を見たことがない カリフォルニア檸檬

第三回遊泳 詠草・投稿四番(りと)

長からじあなた思ほゆ果てぬよう願ふも未だ至らぬ我が意 りと

第三回遊泳 詠草・投稿三番(kaz)

クレイアニメの指紋さがしている夜のあぶらねんどのようなるまなこ kaz

第三回遊泳 詠草・投稿二番(葛紗)

叱られて手つかずのまま熟れてゆくバナナはガソリンみたいな匂い 葛紗

第三回遊泳 詠草・投稿一番(なな)

まっすぐに母を愛せるひとたちが眩しく見える でもそれだけだ なな

第二回遊泳 詠草・投稿七番(泉由良)

透明に見える理由は黒いから漆黒中央感情露線 泉由良

第二回遊泳 詠草・投稿六番(kaz)

西方の後続車みな左折して献血ルームに君を誘った kaz

第二回遊泳 詠草・投稿五番(屋上エデン)

水のない水槽として都市はあり古代魚として泳いでいこう 屋上エデン

第二回遊泳 詠草・投稿四番(高千穂幸香)

贅沢な三十分を過ごし居り雨を眺めてコインランドリー 高千穂幸香

第二回遊泳 詠草・投稿三番(知己 凛)

いき場所をなくしてきみは凩と髪と心と時間を融かして 知己 凛

第二回遊泳 詠草・投稿二番(なな)

お母さんずっとあなたを愛してる(だからあなたは母を愛すな) なな

第二回遊泳 詠草・投稿一番(葛紗)

玉ねぎの皮の近くを噛みしめる夏の噂がまだ終わらない 葛紗

第一回遊泳 詠草・投稿二番(笛地静恵)

せいくらべまたせいくらべみんなしてああうるさいとふみつぶされた 笛地静恵

第一回遊泳 詠草・投稿三番(朝凪空也)

強風を受けてガタガタ鳴る窓に千年前の空想をする 朝凪空也

第一回遊泳 詠草・投稿四番(紺堂カヤ)

お辞儀した向日葵へし折り高架下 轢かれた猫の瞳に斜陽 紺堂カヤ

第一回遊泳 詠草・投稿五番(壬生キヨム)

彗星のしっぽが飛び込みいちめんに宇宙のかおりが広がったのです 壬生キヨム

第一回遊泳 詠草・投稿六番(葛紗)

恋人をやめて二年のひとが飲む薬の副作用に「悪夢」が 葛紗

第一回遊泳 詠草・投稿七番(とみいえひろこ)

おいしいもの、なんていうのはこの世にはない。浮く踝にキスをつづける。 とみいえひろこ